自分で学ぶテクニカルセミナー2:電子計測の計算処理
:半導体テスト技術:テスタのためのデジタル信号処理 ■半導体テスタのための測定計算のための総集編 このサイトは創作幸房の自分で学ぶ技術セミナーシリーズです。ここでは若手技術者の自己啓発の一環として電子計測における計算処理を総集編として入門から応用まで学んでいきます。 参考のテスター構成などは創作幸房の半導体量産テスト用の大型自動検査装置の経験に基きます。注意として資料の活用はご自身の判断と責任で行っていただけますようお願いいたします。 これまでテスタによるデジタル信号処理技術のセミナーとして、 ■テスタのためのデジタル信号処理の入門編 ■テスタのためのデジタル信号処理の基礎編 ■テスタのためのデジタル信号処理の実践編 としてシリーズを重ねてきましたが、基礎の理論に加えて実務に沿った実例も交え、分かりやすく解説したつもりです。 今回応用編を加えた総集編として基礎としての技術力を見直し、磨くつもりで自己啓発の参考にしていただければ幸いです。 (実務としては半導体デバイス測定用のテスト・パッケージの設計・開発と運用・維持にもご活用下さい) サイトの目次: ・半導体テスタのためのデジタル信号処理の総合編 ■テスタのためのデジタル信号処理の入門編 1.デジタル信号処理とは その1 2.デジタル信号処理とは その2 ■テスタのためのデジタル信号処理の基礎編 1.時間軸の離散システム 2.ナイキスト周波数 3.エリアシング 4.アンダーサンプリング 5.測定周波数の拡張 6.DFT 7.FFT (DFTとFFTの違い) 8.周期性と窓関数 9.インパルス応答と時間軸の離散信号入力による系の応答 ■テスタのためのデジタル信号処理の実践編 1.テスタのマスタクロック構成 2.AWGのサンプリングクロック設定 3.デジタイザのサンプリングクロック設定 4.サンプリングクロック、サンプリング数と測定周期の設定 5. FFTによるスペクトラム分析 6.マルチトーンによる信号発生と取り込み 7.高調波とスプリアス 8.非同期信号の扱い ■テスタのためのデジタル信号処理の応用編 1.線形時不変システム 2.線形コンボリューション 3.孤立パターンとトレーニングパターンの例 4.環状コンボリューション 5.AWGのループ波形生成の例 |
テスタのためのデジタル信号処理の入門編 半導体量産テストに必要なデジタル信号処理とは何かを学びましょう。 ・デジタル信号処理の入門編 1.デジタル信号処理とは その1 2.デジタル信号処理とは その2 1.デジタル信号処理とは その1 視覚や聴覚などヒューマンインターフェースはアナログの連続量。 映像や音声は物理量で人間の感覚器官で観測されるアナログ信号。 これらのアナログ信号をデジタル信号に変換して信号処理・演算を行う デジタル信号処理の歩みとテストの1 ■(無線)通信の世界ではアナログ信号を伝達する際、信号品質の向上などのために、信号の符号化、データの圧縮、ノイズの低減など、アナログの信号処理技術が発展した。 ■半導体計測の世界ではこの通信で使われた信号処理技術がデジタル・アナログコンバータ(DAC)とアナログ・デジタルコンバータ(ADC)の発達によりデジタルの信号処理として行われるようになった。(高周波の世界ではまだまだアナログ技術が使われている。) 半導体のテストでは信号伝達における送信および受信デバイスの測定信号の発生と測定信号の取り込みに使用されている。 さらに分析・評価には(高周波数帯域以下では)テスタ側のデジタル・アナログコンバータ(任意波形発生器:AWG)とアナログ・デジタルコンバータ(デジタイザ:DIG)による変換技術により測定演算としてのデーター処理としてデジタル信号処理が使用されるケースが増えている。 ・(無線)通信デバイスとデジタル信号処理によるテスト構成例 2.デジタル信号処理とは その2 視覚や聴覚などヒューマンインターフェースはアナログの連続量。 映像や音声は物理量で人間の感覚器官で観測されるアナログ信号。これらのアナログ信号をデジタル信号に変換して信号処理・演算を行う デジタル信号処理の歩みとテストの2 ■コンシューマの世界では初めに音楽CDの普及でデジタル信号処理が生活の中に溶け込んだ。すでに映像もPCやDVDでデジタル信号として処理されているが、今現在はテレビ放送がアナログからデジタルへと転換した時代となっている。 ■半導体計測の世界ではアナログ信号を測定・分析・記録する場合に測定信号の発生にデジタル信号処理とアナログ変換にDAC、アナログ信号の取り込みにADC、測定にデジタル信号処理を使用してデバイスの分析・評価・検査を行っている。 半導体のテストではDACおよびADCデを集積したSoCバイスの測定信号の発生と測定信号の取り込み及び分析・評価にテスタ側のデジタルアナログコンバータ(任意波形発生器:AWG)とアナログデジタルコンバータ(デジタイザ:DIG)による変換技術によりデジタル信号処理が使用されている。 ・DACとADCデバイスとデジタル信号処理によるテスト構成例 ・SoC(DAC,ADCとRF混在の場合)デバイスの一般的なテスタ構成例 資料の活用に関してはご自身の責任で判断いただけますようお願いいたします。引用する場合はソースを明示していただけますようお願いいたします。 |
半導体テスタのためのデジタル信号処理 ■ デジタル信号処理の基礎編 1.時間軸の離散システム 2.ナイキスト周波数 3.エリアシング 4.アンダーサンプリング 5.測定周波数の拡張 6.DFT 7.FFT (DFTとFFTの違い) 8.周期性と窓関数 9.インパルス応答と時間軸の離散信号入力によるシステムの応答 1.時間軸の離散システム ・特にATEではAWG/DIGのサンプリング周波数でサンプリングされた自然数列nで扱う(等時間間隔でサンプリング 2.ナイキスト周波数:サンプリングで正しく再現できる周波数 ・サンプリング周波数の半分の周波数のサイン波まで再現が可能(2点のデータからフィットするサイン波を再現・計算 3.1エリアシングフィルタの必要性:信号の高周波成分の折り返しの影響を除く ・サンプリング周波数の半分の周波数のサイン波まで再生が可能( 2点のデータからフィットするサイン波を再現・計算。ただしサンプリング周波数の1/2まで)それ以上ではエリアシング(計算上も)で折り返された信号と元信号の区別がつかない 3.2エリアシングフィルタの必要性:ナイキスト周波数より高い成分のfsからの折り返しの影響を避けるためフィルタリングする ・サンプリング周波数の半分の周波数のサイン波まで再生が可能( 2点のデータからフィットするサイン波を再現・計算。ただしサンプリング周波数の1/2まで)それ以上ではエリアシング(計算上も)で折り返された信号と元信号の区別がつかない 3.3エリアシングフィルタの必要性:fsの整数倍の繰り返しに対して折り返しが計算されるため信号をナイキスト周波数以下にフィルタリングする ・計算上からはfsの整数倍の折り返しによるミラーが現れる 4.1アンダーサンプリング:サンプリング周波数より高い波形を正しく再現することは可能?折り返し波形を演算で抜き出すか仮想サンプリング周期でサンプルを並び替えて再現する ・tsは何周期めかで信号周波数の整数倍と周期を合わせること 4.2アンダーサンプリング:繰り返し波形の安定性を前提に信号周期よりすこしだけ周期の長いサンプリング時間を設定してサンプル数の必要なだけ波数を取り込む。この波形を再度信号周期内に仮想サンプリングで並び変えて再現する ・tsは何周期めかで信号周波数の整数倍と周期を合わせることFFT演算をする場合は始めから2のべき乗にサンプル数を合わせる 5.1測定周波数の拡張:サンプリング周波数を保ってサンプル数を増やす -基本周波数ff (最も低い周波数)が低いほうへ拡張する -周波数の分解能が向上する ・tsは何周期めかで信号周波数の整数倍と周期を合わせること 5.2測定周波数の拡張:サンプリング周波数を高くしてサンプル数を増やす -ナイキスト周波数が高いほうへ拡張する(測定帯域のハイエンドの拡張) ・tsは何周期めかで信号周波数の周期と合わせること 6.1DFT(離散フーリエ変換) : 離散周期信号の変換 ・離散周期信号を離散フーリエ変換することで離散周期スペクトラムが得られる。測定周波数帯域の(離散)スペクトラムをえるためには? 6.2離散フーリエ変換 : 測定期間の限定 -ナイキスト周波数が高いほうへ拡張する(測定帯域のハイエンドの拡張) ・離散周期信号を測定期間(測定帯域)を有限化して離散フーリエ変換することで有限個数の測定周波数スペクトラムを得ることができる。 7.FFT (DFTとFFTの違い) ・高速フーリエ変換は離散フーリエ変換の乗算数を大幅に減ずる計算手法である。 8.1周期性と窓関数(離散フーリエ変換の適用条件) : 周期性の扱い ・測定信号により測定期間(測定帯域)を調整処理して、離散フーリエ変換を行う。これにより測定範囲・精度に合った(離散)測定周波数スペクトラムを得ることができる 8.2周期性と窓関数(離散フーリエ変換の適用条件) : 窓関数 ・測定信号により測定期間(測定帯域)を信号処理して、離散フーリエ変換を行う。信号の周期に測定周期を合わせられない場合は測定期間に時間による重み付けを行うことで周期信号と見なして計算する 9.インパルス応答と時間軸の離散信号入力によるシステムの応答 ・線形時不変システムの入出力応答、システムのインパルス応答の関係を以下に示す。コンボリューションの扱い(説明)は応用編で行う 資料の活用に関してはご自身の責任で判断いただけますようお願いいたします。引用する場合はソースを明示していただけますようお願いいたします。 |
半導体テスタのためのデジタル信号処理 ■ デジタル信号処理の実践編 1.テスタのマスタクロック 2.AWGのサンプリングクロック設定 3.デジタイザのサンプリングクロック設定 4.サンプリングクロック、サンプリング数と測定周期の設定 5. FFTによるスペクトラム分析 6.マルチトーンによる信号発生と取り込み 7.高調波とスプリアス 8.非同期信号の処理 1.1テスタのマスタクロックの構成:テスタのクロック分配システムの例 ・1マスタクロックのMixed信号またはSoCテスタは現在は存在しません。 1マスタクロックで実現できないテスト構成/1マスタクロックの短所/1マスタクロックの長所 1.2テスタのマスタクロックの構成:Mixed信号テスタのクロック分配システムの例1 ・代表的な(1世代前の)のMixed信号またはSoCテスタはデジタルとアナログに別々のマスタクロックを備えていました。 2マスタクロックの短所/2マスタクロックの長所 1.3テスタのマスタクロックの構成:Mixed信号テスタのクロック分配システムの例2 ・代表的な(1世代前の)のMixed信号またはSoCテスタはデジタルとアナログに別々のマスタクロックを備えていましたがテスト構成により各々複数に拡張する場合がありました。 デジタルに複数のマスタクロックがいるテスト構成/アナログに複数のマスタクロックがいるテスト構成 1.4テスタのマスタクロックの構成:オープンアーキテクチャのテスタのクロック分配システムの例 ・現在のMixed信号またはSoCテスタは各スロットまたはオプション毎に独立した個別マスタクロックを備えています。 個別マスタクロックの短所/個別マスタクロックの長所 2.1AWGのサンプリング・クロック/数・波数/周期の設定1 ・サンプル数を(2の3乗)8個、AWGを(3ビット)8レベル、1周期(波数1)とした場合、位相を0,180度以外に設定すれば全ビット異なるレベルが現れる。(設定周波数は1/8* となる) 注) 8レベルは式の説明を簡単にするためで、測定レベル的には分解能が低く、ここでは誤差は問題としない。 DACの全ビットが現れることの意味を理解するための例である。 実際にはオーディオで16から24ビット、ビデオで8から16ビット程度が使われる 参考) ACテストの基礎からSNRやダイナミックレンジを参照してください 2.2AWGのサンプリング・クロック/数・波数/周期の設定2 ・サンプル数を(2の3乗)8個、AWGを(3ビット)8レベル、2周期(波数2)とした場合、位相を調整しても全ビット中の4レベルしか現れない。(設定周波数は2/8*tsとなる) 2.3AWGのサンプリング・クロック/数・波数/周期の設定3 ・サンプル数を(2の3乗)8個、AWGを(3ビット)8レベル、3周期(波数3)とした場合、位相を調整しなくても全ビット異なるレベルが現れる。(設定周波数は3/8*tsとなる) 2.4AWGのサンプリング・クロック/数・波数/周期の設定4 ・サンプル数を(2の3乗)8個、AWGを(3ビット)8レベル、4周期(波数4)とした場合、位相を調整しても全ビット中の2レベルしか現れない。(設定周波数は4/8*tsとなる) 3.1Digitizerのサンプリング・クロック/数・波数/周期の設定1 ・サンプル数を(2の3乗)8個、Digitizerを(3ビット)8レベル、1周期(波数1)とした場合、位相を0,180度以外に設定すれば全ビット相当のレベルが取り込める。(設定周波数は1/8*tsとなる) 注)AWGと同じ補足:8レベルは式の説明を簡単にするためで、測定レベル的には分解能が低く、ここでは誤差は問題としない。 DACの全ビットが現れることの意味を理解するための例である 実際にはオーディオで16から24ビット、ビデオで8から16ビット程度が使われる 参考)ACテストの基礎からSNRやダイナミックレンジを参照してください 3.2Digitizerのサンプリング・クロック/数・波数/周期の設定2 ・サンプル数を(2の3乗)8個、Digitizerを(3ビット)8レベル、2周期(波数2)とした場合、位相を調整しても全ビット中4つのレベルしか取り込めない。(設定周波数は2/8*tsとなる) 3.3Digitizerのサンプリング・クロック/数・波数/周期の設定3 ・サンプル数を(2の3乗)8個、Digitizerを(3ビット)8レベル、3周期(波数3)とした場合、位相を調整しなくても全ビット相当のレベルが取り込める。(設定周波数は3/8*tsとなる) 3.4Digitizerのサンプリング・クロック/数・波数/周期の設定4 ・サンプル数を(2の3乗)8個、Digitizerを(3ビット)8レベル、4周期(波数4)とした場合、位相を調整しても全ビット中2つのレベルしか取り込めない。(設定周波数は4/8*tsとなる) 4.サンプリングクロック、サンプリング数と測定周期の設定 ・FFT場合はサンプル数Nは2のべき乗、mは素数など繰り返しにならない整数を選ぶ 注:tsは観測期間(Nポイント)で信号周波数のm(整数倍)と周期を合わせること 波数(サイクル数)を素数などに選ぶ/偶数や因数がある場合/コヒーレントな設定 5.FFTによるスペクトラム解析例 ・サンプル数を(2の8乗)256個、AWGを(8ビット)256レベル、とした場合、FFTによる周波数の分解能はサンプリング周波数=1/{(ts:サンプリング周期)*(256:サンプル数)} 6.1マルチトーンによる信号発生1 ・サンプル数を(2の8乗)256個とした場合、周波数の分解能は fres=1/ts*256 周波数の分解能のN倍の周波数を合成してマルチトーンを発生する(3波の合成例) 6.2マルチトーンによる信号発生2 ・テスト高速化のメリット: 3波合成とFFTによる周波数分析を行えば3種類の周波数特性を1回の測定で行えるが、通常の周波数スイープテストでは3回の測定が必要になる。 6.3マルチトーンによる信号取り込み ・サンプル数を(2の8乗)256個とした場合、FFTによる周波数の分解能は サンプリング周波数=1/{(ts:サンプリング周期)*(256:サンプル数)} 周波数のビンナンバーは(256:サンプル数)/2=128 注:信号周期を基本周波数の整数倍にする 6.4サイン波形の電圧と電力(比) ・ダイナミックレンジと波高率(シングルトーンの場合を思い出して見ましょう) 6.5マルチトーンによる波形合成による発生 ・周波数の分解能のN倍の周波数を合成してマルチトーンを発生する(3波の合成例)場合は波形のピークは最大で各々のピークの合計になる可能性がある。 波高率(クレストファクター)は何を表していましたか? 6.6マルチトーンによる波形合成の問題点(波高率) ・波高率(クレストファクター)は 最大値/実効値 です AWGではノーマライズしてDACの最大値を超えなければ問題ありません デジタイザでは入力が最大値を超えないように設定する必要があります 7.1高調波とスプリアス:測定信号の周期性 ・周波数分析の分解能と測定信号の周波数の関係は?周期に合わない場合は? 7.2高調波とスプリアス:非同期信号の出現 ・高調波は基本波の整数倍のため、発生と取り込みのサンプリングクロックを同じか整数倍で行えば測定周期と同期するためスペクトラムのリーケージは現れないが、非周期成分(ドリフト)や非同期成分(スプリアスなど)が測定信号に含まれているとスペクトラムのリーケージとなって現れるため注意が必要(窓関数を適用するなど信号処理が必要)。 8.1周期に会わない(非同期)信号の処理 ・測定信号が測定期間(測定帯域)で周期的となるようをテスタを設定または信号処理して、離散フーリエ変換を行う。測定周期にスプリアスなど測定信号の周期が合わない場合は測定期間に時間による重み付けを行う(窓関数を掛ける)ことで周期信号と見なして計算する。 8.2 周期に合わない信号の計算結果 : 計算はどういう信号として処理されるか? ・波形の繰り返しで計算されるので不連続点があるとたくさんの周波数成分が現れる 資料の活用に関してはご自身の責任で判断いただけますようお願いいたします。引用する場合はソースを明示していただけますようお願いいたします。 |
半導体テスタのためのデジタル信号処理 ■テスタのためのデジタル信号処理の応用 時系列のシステム応答のテストへの応用 1.線形時不変システム 2.線形コンボリューション 3.孤立パターンとトレーニングパターンの例 4.環状コンボリューション 5.AWGのループ波形生成の例 1.線形時不変システム ・インパルス応答と離散時間系列の入力による系の応答システムの入出力応答、システムのインパルス応答の関係を以下に示す。簡単な線形コンボリューションと環状コンボリューションの応用例を次に示す。 2.線形コンボリューション ・単発現象やストレートパターンの測定 3.孤立パターンとトレーニングパターンの例 ・線形コンボリューションの応用例 4.環状コンボリューション ・周期現象(ループ波形)の測定 5.AWGのループ波形発生の例 ・環状コンボリューションの応用例 資料の活用に関してはご自身の責任で判断いただけますようお願いいたします。引用する場合はソースを明示していただけますようお願いいたします。 |
半導体テスタのためのデジタル信号処理 ■テスタのためのデジタル信号処理の応用 データーの間引きと補間 1.データーの抜き取り(デシメーション) 2.データの補間(インターポレーション) 1.データーの抜き取り(デシメーション) ・デシメーション(抜き取り・間引き)とは? 2.データの補間(インターポレーション) インターポレーション(補間)とは? 資料の活用に関してはご自身の責任で判断いただけますようお願いいたします。引用する場合はソースを明示していただけますようお願いいたします。 |
あなたがデジタル信号処理の仕事で壁を感じた時、
心構えの問題だと同感できたら参考にして下さい。
はじめに ■論理思考だけではなかなか壁を越えられない 担当技術者自身が難局面を打開して解決へと向かうには教科書的な(言語や理論による)論理思考だけではなかなか壁を越えられない事があります。 この資料では技術者がテストパッケージの作成やデバッグ時の壁や困難さに直面したとき堂々巡りの悪循環から抜け出せるよう、マインドセットによる解決法を学びます。 テスタにおける問題解決を念頭に置いています。しかしながらプログラム開発や不良解析の局面で、あなたが解決したいと思う場面でも応用可能です。 若手の方は発想の転換で得た結果・方法に関して必ず経験者や上司のアドバイスをもらうようにしてください。 あなたが壁を乗り越え、次のステップへと向かわれますように。 |
発想の転換のために ■左脳の働き このサイトに来られたあなたは技術者として、すでに仕事で左脳の反復使用を続けていると思います。 (技術)教育では特に言語、数学、科学の学習を主に受けてきたため、自然と左脳を多く使う状況になっています。 特徴として左脳は言語と理論で論理的に思考し、計算し、記憶します。演算のバッファ領域が限られるため、処理が終わるとすぐに忘れて(リセット・クリアして)しまいます。覚えているためには定期的な反復が必要ですし、能力の維持には継続的な努力が必要です。 さらに肉体的な特性から、意識集中には緊張が必要で、疲れやすく、ストレスがたまりやすいなどの特徴があります。 先ず右脳の特徴をみてみましょう。左脳が直接意識する顕在意識脳なら右脳は本能的な感覚や直感で処理をする潜在意識脳です。 イメージ的な処理を得意とし、大量の情報を超高速に処理し、極めて許容力の大きな記憶領域をもっています。 また創造性、空間構成、感情表現に係わっています。 現象を理解できない局面やストレスを感じながら、どう対処してよいか迷ったり、アイデアが出てこない、壁を越えられない時など発想の転換をすべき場面がたくさんあるはずです。 そんな時積極的に視点を変え発想の転換を図りましょう。(量産の現場では社内基準とノウハウを理解しておく必要があります) |
デバッグのブラックホール ■右脳を活用する? 以下のことにひとつでも思い当たったら、あなたには右脳を活用する十分なチャンスがあります。(ぜひ活用してください) ‐XXXのせいでうまくいかないんだ。(責任の転嫁) ‐こんな方法で上手くいくだろうか?(疑いと不安) ‐この方法でよかったんだろうか?。(選択の迷い) ‐終わるまで徹夜してでもがんばっていくんだ。(楽は悪だ) これらの考えが浮かんだら積極的に発想の転換を計る機会だと考えましょう。ただし量産の現場では経験者の指導を必ず受けてください。 |
あなたが電子計測の壁を感じた時
心の散歩道に出かけてちょっとだけゆとりを取り戻す参考にして下さい。
心の散歩道 ■原因:どこか素直に発想できない 質問です。あなたの嫌いな人を心の中に思い浮かべて下さい。 どうでしょうか?何人かの顔や名前が浮かびましたか? 嫌いな人が一人でも思い浮かんだら、とても大切なことがあります。それはあなたが先ずあなた自身を許す必要があることです。 心理学的にはあなたの嫌いな人(許せない人)はあなたの抑圧された、生き残れなかった分身だといわれています。 もしあなたが誰かを嫌いだとしたら、それはあなたがあなた自身を許していないことになります。自己を否定していてはあなたの思い描いたことはそのままでは受け入れられないことになります。 ■対策:相手を祝福する アメリカのビジネスで成功を収めた多くの人の中の一人は、大きな成功を目指すなら、すべての人を許す必要があると述べています。 もしあなたが誰かを許さないことで、自己を否定していてはあなたの思い描いたことはそのままでは右脳に受け入れられないことになります。 どうしても許せなかったらどうしましょう? そんな時は嫌いな対象をみんな「祝福」してしまいましょう。 表現をかえるとあなたの考えが変わります。 彼(彼女)には彼らなりの考え方と取り組み方があるのです。やり方を尊重することで否定しないことを選択できます。 ■対策:自分を許す・解放する 心理療法の世界では悩み・苦しみはその人の過去の体験に基づくと考えて対応をしている例があります。 過去の失敗などにより生じたこころの痛手を消せなければこの悩み・苦しみからは逃れられません。あなたの心の傷として残っていることも、被害者として相手を恨む・憎悪の気持ちとしての感情も、いずれにしてもあなたはマイナスのわなに捕らわれている事になります。目的達成のためにはにこれらのしがらみからあなたを解放する必要があります。 心理療法の手法では過去の失敗体験などをロケットにのせて飛ばしてしまうなどの方法もあります。 こだわりの残る過去のデバッグの失敗から自分を許してしまいましょう。 ■原因:思いとは裏腹の結果を連想してしまう 次の質問です。あなたの欠点を心の中に思ってください。 どうでしょうか?いくつか心の中に浮かびましたか? 欠点がひとつでも思い浮かんだら、大切なことがあります。それはあなたには技術者として豊かな人生を過ごす価値がある人間だとあなた自身が認識することが必要です。 自己啓発の世界では成長のため、その第一歩として欠点を認めさせます。そしてその改善への取り組みが始まります。 失敗などをした時、慰める意味で「完璧な人間などいない」などの表現も使われます。これは広く受け入れられています。 ここに落とし穴があります。 ■対策:改善の余地 自己啓発として欠点を認識し、それを改善するアプローチはおごりを鎮め、自己を成長させる方法としては有効です。しかしながら右脳への伝達にはちょっと注意が必要です。 自分は欠点のある人間だと考えることはマイナスの要因として、技術者として価値のない人間だ。まだ成功するほどの存在ではないと今の自分を貶めてしまう危険があります。 視点を変えて伸びる可能性(余地)を認識すればよいのです。この部分を延ばせば成長するなどと発想を変えればよいのです。 これは視点を変えただけではありません。視点を変えたことであなたが変わるのです。 ■原因:期待と逆の結果が導かれる 前提:仕事上のライバルが存在する 目的を達成するためにあなたはライバルに勝つ事を思い描きました。ところが相手に勝つことはできませんでした。 「うまくいかなかった。なぜなんだ」いったいどこに原因があるのでしょうか? 「ライバルに勝ちたい」と思ったこころの底に: 今は勝っていない自分がいる(負けの肯定) 負けたくない、負けたら困る(恐れや恐怖) ライバル勝ちたいと念じたつもりでも勝たないこと(願いの否定)が右脳に伝達されてしまうことがあります。 ■対策:自分に勝つ ライバルに勝とうと意識すると、相対的な優位性を目指すことになります。仕事ではうまくいく場合もあります。しかしながらこれは結果の質を考えた場合、マイナス要因を伴うことがあります。目的の達成を低いレベルで競うことや、相手の妨害をするなど手段を選ばぬ方向に走ってしまうことがあります。 技術レベルの高い目的を目指す場合は相手を良いライバルと考えて、お互いにより高い目標を目指すことが良い結果(高いレベルに到達する)をもたらします。相手との相対関係を意識すると不安が付きまといます。負けることへの恐怖が広がることもあります。そんな状況より、高い目標の達成に向けて自分に勝つようにつとめることで、集中力をたかめて右脳に願いを正しく伝達することができます。 ■参考対策:習慣化する それでも「できない」と言うあなたは、繰り返し、繰り返し実行する(言葉にする)ことで達成する方法があります。 仏教の信者でなくとも、最近では情報起業のコピーライトの教材にも写経(書き写すこと)の大切さが説かれています。 自己啓発の世界でも成功者には共通した習慣があり、その良い習慣の大切さが広く知られています。会社に自己啓発のプログラムがあれば身近に体験できると思います。 技術の世界も例外ではありません。学習なら単純に繰り返すことで効果が上がることが知られています。 成功を目指すならアファーメーションと呼ばれる自分に対する肯定の宣言文を繰り返し唱える方法もあります。 |
このサイトが、実際にあなたの目的達成のお役に立てれば幸いです。
前半では技術的な内容をお話しました。後半は視点を変えてその内容を生かすための心構え(マインドセット)についてお話しました。
あなたが目的を達成され、次の目的へと向かわれますように応援しています。
ご意見とフィードバックをいつでも歓迎いたします。
掲載ガイドライン
学習には個人差があります。サイトの訪問者の方に誤解を与えたり不快感を感じるような誇大な表現は極力排除するように努めております。出来る限り事実をお伝えし、目的達成に少しでも貢献できますように改善に努めて参ります。また使用に関する結果にはご自身の責任で対応していただけますようお願いいたします